CASIO PB−100 BASICについて

PB−100シリーズのBASICは、パソコンの一般的なBASICと若干違いがあります。
また、PB−100と、PB−110では、コマンド表記に一部違いがあります。
その辺りを解説していこうと思います。


◎ 変数名について ◎
変数は、A〜Zの一文字を変数名として付けられます。
文字変数にする場合は、変数名のあとに$を付けます。A$とか…っとここまでは、パソコンのBASICと同じですが…
数値変数名Bとすると…文字列変数B$は、同じメモリ領域になります。
どういうことかというと、
10 B=10:B$="ABC"
20 PRINT B

とすると、20行目でERR 6になります。
つまり26個の変数メモリエリアがあり、同じ変数名であれば、数値と文字で同じメモリエリアを共有するとになります。
また、配列についてA(1)とすると、変数名Bと同じになります。B(1)は、変数名Cと同じになります。
10 A=1
20 B=2
30 C=3
40 D=4
50 Z=5

は、
10 A(0)=1
20 A(1)=2
30 B(1)=3
40 B(2)=4
50 A(25)=5

と記載したのと同じになります。
ちなみに、もっとメモリエリアを増やしたい場合は、DEFMコマンドを使います。
DEFM 1 とすると、メモリエリアが1つ増えます。エリアが1つ増える毎にメインステップが8ステップずつ減ります。
増やしたメモリエリアは、Z(1)や、A(26)等として指定することができます。
DEFM 0 とすると、もとの26エリアに戻ります。

◎ 文字変数について ◎
文字変数は、A$等のように記述しますが、このように記述した文字変数には、7文字まで入れることができます。
8文字目を入れると、ERR 6になります。
もっと文字数の多い文字変数を扱うときは専用文字変数と名づけます。
この専用文字変数$には、30文字まで入れることができます。
ちなみに記述ほうは、
$="ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ0123"
のようにします。
ちなみに、文字列操作コマンドMIDは、この専用文字変数$に対してのみ行われます。


◎ BASICコマンド表記比較表 ◎
一般的なBASIC PB-100表記 PB-110表記 内容
NEW CLEAR NEW プログラムを消去する
NEW CLEAR A NEW ALL 全エリアのプログラムを消去する
CLEAR VAC CLEAR 変数を初期化する
CSAVE SAVE A SAVE ALL 全エリアのプログラムデータレコーダに保存する
CLOAD LOAD A LOAD ALL データレコーダから全エリアにプログラムを読み込み
VERIFY
CLOAD?
VER VERIFY データレコーダに正しくプログラムが保存できたかチェックする
LOCATE X座標,Y座標:PRINT
CURSOR X座標,Y座標:PRINT
PRINT CSR X座標 PRINT CSR X座標 指定位置に表示する
ON 変数 GOTO GOTO 変数 ON 変数 GOTO 変数の条件に従ってジャンプする。
PB-100の場合、変数値の行番号にジャンプする。
例えば、
A=15:GOTO A*10
とすると、150行にジャンプする。
ON 変数 GOSUB GOSUB 変数 ON 変数 GOSUB 変数の条件に従ってサブルーチンに移動。
PB-100の場合、変数値の行番号のサブルーチンに移動。
例えば、
J=2:GOSUB J*20
とすると、40行のサブルーチンに移動する。
IF 〜 THEN IF 〜 ; IF 〜 THEN 条件分岐命令。
PB-100の場合、THENを;(セミコロン)で書きます。
但し、
IF A=10 THEN 40
とする場合は、
IF A=10;GOTO 40
とします。
INKEY$ KEY KEY$ キーボードから1文字入力します
MID$(文字変数,位置,文字数) MID(位置,文字数) MID$(位置,文字数) PB-100シリーズの場合、専用文字変数$に対して行われます
INT(RND(1)*6)+1 INT(RAN#*6+1) INT(RAN#*6+1) この書式の場合、1〜6までの乱数を発生させる


◎ PB−110にはあって、PB−100にはないコマンド ◎
PASS パスワードの設定 パスワードの設定ができません
BEEP BEEP音の発生 BEEP音はありません。(ハード的にスピーカもありません)
DATA DATAの登録 プログラム中にDATAを登録することはできません。
READ DATAを読み込む そもそもDATAがないので、使うことができません。
RESTORE DATAの再読み込む そもそもDATAがないので、使うことができません。
ON 〜 GOTO 条件付きジャンプ 変数ジャンプで代用してください。
ON 〜 GOSUB 条件付きサブルーチンコール 変数サブルーチンコールで代用してください。
REM コメント コメントを書くことはできません。もちろん省略形(’)もダメです。


◎ データバンク(MEMO)専用コマンド ◎
NEW# NEW# MEMOを削除する。WRTモードで実行してください。
LIST# LIST# MEMOの内容を表示する。
SAVE# SAVE# "ファイル名" MEMOの内容をデータレコーダに保存する。※ファイル名は省略可能
LOAD# LOAD# "ファイル名" データレコーダからMEMOに読み込む。※ファイル名は省略可能
READ# READ# 変数 MEMOから変数に読み込む。変数は、数値変数、文字変数のどちらでも可
RESTORE# RESTORE#
"検索文字列"
,モード(0 or 1)
,行番号(またはエリアナンバー#)
MEMOの内容を検索し、再読込の位置を指定をする。
RESTORE# MEMOの先頭を再読込位置にする
RESTORE# "検索文字列"
RESTORE# "検索文字列",0
検索文字列のあるデータ位置を再読込位置にする
RESTORE# "検索文字列",1 検索文字列のあるデータの行を再読込位置にする
RESTORE# "検索文字列",モード,行番号
RESTORE# "検索文字列",モード,#エリアナンバー
検索文字列がMEMO中に見つからなかった場合、行番号、もしくはエリアナンバーにジャンプする
WRITE# WRITE# 変数 MEMOに変数の内容を書き込む。
変数は、数値変数、文字変数のどちらでも可。ただし、文字の場合62文字以内。
また書き込み位置は、MEMOレコードの最後に追加されていきます。
変数を省略すると、一番最後のMEMOレコードを削除します。

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